主神バール Baal の妹にして配偶者。
美しい少女であると考えられ、しばしば「処女 (the Virgin) 」と古文書に記されてきた。彼女はその若々しい活力と、戦闘における残忍さで名高い。狩の神でもある。
アナトの邸宅はウガール Ughar (ウガリット)ないしインバビ Inbab にあるとされている。
バールの竜神ヤム Yamm に対する勝利を祝い、アナトはバールの宮殿で宴をもうけた。客が着いてから、彼女はいったん自宅に戻って、紅とヘンナで自らを飾り、ドアを閉め、近郊の2つの町の住人を殺戮した。アナトはその住人の頭と手でベルトを作り、血の海を歩いてわたってきた。さらに立てこもる町の戦士たちをおびき寄せ、喜んで虐殺した。そして魔術で平和をもたらし、辺りを浄化した。
あるときバールは狩りに出たが、それをアナトが付けてきた。バールは彼女に気づき、愛しくなって、牛の姿に変じて彼女と愛し合った。アナトは野牛を生み、そのことをザフォン山にいるバールに伝えた。
これをエジプトのラムセス2世(治世 1279-13 BC)はこの女神を愛し、エジプトの神話体系にも取り入れた。
ギリシア人はこの女神をアルテミスと同一視した。
アナトは、エジプトでは、ライオンにまたがり、花を抱く裸体の女神として描かれ、さらに牝牛の姿をした天空の女神ハトホルの角を付けられた。
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