タニト
Tanit

カルタゴの大地母神。バール・ハンモンの妻。
タニトは「バールの顔たるタニト Tanit Pene Baal」としばしば称され、バール・ハンモンとタニトに捧げられた奉納石碑にはタニト印と呼ばれる擬人化されたシンボル(顔を表す丸と、体を表す三角で示される)のみが刻まれた。(彫刻にはそれぞれがあり、バール・ハンモンが描かれないということはない。)
この女神は元はリビアの豊穣の女神であったらしい。
ギリシア人はタニトを月の女神ダイアナと同一視した。
バール・ハンモンカルタゴの歴史を通じて重要な神性でありつづけたが、紀元前500年頃からカルタゴの主神の座はタニトのものとなっていった。
バール・ハンモンとタニトに捧げられたカルタゴの聖域トペテでは、この夫婦神に幼児の犠牲が捧げられたといわれており、実際この場所から多くの幼児の焼け焦げた遺体が発掘されている。が、カルタゴの支配地域で幼児の墓が発見されていないことから、幼児はここで荼毘に付された、とする学説が提出されている。
著者自身はどちらが正しいとも言い切れず、判断はゲームマスターに委ねる(幼児犠牲はシナリオのネタを多く提供するだろう!)が、ここではバール・ハンモンには審判者として、タニトには(特に幼児の)保護者としての性格を付与している。


[象徴]
三日月

[守護]
都市:カルタゴ

[入信者]
必要条件:発射武器攻撃、修理、聞き耳、追跡
精霊魔術:破裂、早足、減速、加速

[司祭]
一般神性魔術:鹿支配、山羊支配、兎支配、猪支配、羊支配、水鳥支配、聖霊支配、神託、破門、傷の治癒、聖別、霊視、呪文伝授、カトリック式礼拝
特殊神性魔術:引率(c46)、命中

[寺院]
社では《命中》を教えている。
タニトの寺院は、カルタゴの支配地域にある都市には、人口に応じた規模の寺院が必ずある。街道沿いは社が建てられている。
とくに、スペイン、マルタ島、サルディニア島で盛んに崇拝された。