スンチェンの神話
Mythoes Hsuncherum
 
創世主(世界の創造)
一般の精霊たちや神々の国の彼方にいて、すべてを包み込む全能の存在である創世主は、この世界と、そこにあるすべてを創造した。
世界の創造において創世主を助けたのは、四つの方位を治める水の動物の姿を持つ古き神々であった。すなわち南よりの亀、北よりのアビ鳥、西よりのカワウソ、東よりの海鷲である。
神々の末裔(動物の創造)
最初の神々は、力ある竜の王であった。竜は水、太陽、山脈といった自然の元素とつがい、その交合から今日の獣たちが生まれた。
動物からの人間の分化(人間の創造)
かつて人は動物とそっくりであり、動物はお互いに驚くほど似ていた。人は動物と語り合い、すべての生き物が兄弟であった。しかし時が過ぎ、世界は悪化し、火、言葉、お互いに偽り合う必要といったなんらかの力が人と動物を分かった。
最初の人は老父と呼ばれるが、先史時代には彼はトリックスターであり、すべての世界の友であった。そのとき彼がしたすべての行いは、今やすべての人間が為さなければならない。
長き冬(嵐の時代)
数えられない長い世代に渡って、空には陽は現れず、真夏に雪が降り、人喰いの種族だけが腹を満たしていた。さまざまな英雄が人々に生きる術を教えた。この中には角を持つ男や狩人、ダーカ・ファール、トリックスターなどが含まれている。
蜘蛛女が世界をつくった(大いなる盟約)
不可視の怪物が世界を闊歩していた頃、彼らは捕らえたものたちを蜘蛛女に贈り、彼女はそれを食べていた。最後に不可視の怪物が蜘蛛女のところにきたとき、彼女はそれも食べてしまった。彼女は卵を産み、それを温めた。古き世界の残りから、新しい世界が生まれた。そして、数え切れぬ年月の間見ることのなかった太陽が、東の地平線から昇った。
“裏切り者”グバージ(曙の時代)
グバージは曙の時代に終焉をもたらし、文明を破壊した。彼は狡猾な手を用いて、ペローリアからセシュネラまでのすべてを混沌で汚染した。グバージの邪悪な帝国では、ヴァンパイアは大手を振って歩き、病の主は癒し手より重んじられ、人々は混沌の諸相を受け入れた。“解放者”アーカットはグバージを倒し、その邪悪な帝国を滅ぼした。しかし今日でもグバージの故郷であるドラストールには忌まわしき怪物どもがはびこっている。
テルモー族は、この混沌戦争の際にグバージの側についたために呪われ、しばしば狼人間が生まれるようになった。

Extremum Scriptum "Mythoes Hsuncherum"