トロウルの神話
Mythoes Uzum
カイガー・リートルの末裔（古き種族の創造）
闇の女神は彼女の子供たちを世界の将来の支配者に任命した。
ミー・ヴォラーラの戦い（初期の闘争）
すべてが始まる前、ウズは広大な灰色の国に住んでいた。そこでは光がさすことはなく、太った甲虫が飛び回り、ウズに食べられるのを待っていた。
不思議の郷（黄金の時代）
ジェナートは王として黄金の時代を治めた。そのとき、人の住む地はすべてほどよく湿った花園だった。食い物は至るところにあり、兎は人を恐れもせず、近くにきてのんびりものを食べ、土に種を落として少しして戻ってみれば、種はもう芽を葺き、大きな木になって実をつけるのだった。
傷みの地（嵐の時代）
揺り籠の地での牧歌的な平安は神々の戦いと死の侵攻によって破られた。イェルムが地獄に落ちてきたとき、暗黒の神々はこの光の神と地獄の覇権を賭けて戦った。しかし光に対抗する術を知らなかった暗黒の神々は敗れ、楽園は廃墟となり、ウズは王国から追われた。彼らの多くが焼け死んだが、さらに多くが苛酷な地表に逃れた。彼らはその地を傷みの地と名付けた。
人間やウズを遥かに超えた神秘的な力を持つ夜の女神ゼンサは、暗黒の神々が地上に侵入したとき、彼らを率いた。ゼンサは地表に出るとすぐにアーガン・アーガーを生んだ。彼は初めて地上で生まれた暗黒の神であり、闇の生物たちが地上で生きていくのを導いた。
飽食の時（嵐の時代）
太陽が殺されたとき、カイガー・リートルはその子らとともに地上の世界に侵入し、急速に世界中に広がった。死にゆく世界はトロウルにすばらしい食料を提供した。彼女たちはあらゆる物を食べ、ついにはグローランサのほとんどを征服した。
アーガン・アーガーは、火山の父ロウドリルを征服し、彼に広大な黒耀石の宮殿を造らせ、そこを拠点にケタエラを支配し、巨大な帝国を築いた。この帝国は、アーガン・アーガーが大いなる盟約を受け入れて神界に戻った後は、彼の息子の一なる老翁が受け継いだ。
狂気の計画（嵐の時代）
豊饒の女神マリアはラグナグラーによって捕らわれ奴隷の身となった。彼女はラグナグラー、セッドと魔術的な関係を形成し、この世界へ混沌を侵入させた。彼女はこの関係から抜け出したが、彼女は死の女神に変容してしまい、自身をその堕落から解き放つことは出来なかった。
混沌の戦い（大暗黒）
傷みの地では、さらなる不幸が待ち受けていた。最後のトロウルを滅ぼし尽くさんと、混沌が侵攻してきたのである。彼らは絶望的な状況にも屈せず、ストーム・ブルとも協力して混沌の怪物の圧倒的戦力に血みどろの抵抗をし、酷い損害と引き換えに混沌を追い払った。
古の時代、世界の側に立つ勇敢な戦士ゾラーク・ゾラーンはポチャーンゴの全身を打ち砕き、それ自身の上でひっくり返し、悪を無力へと変えてしまった。カージョールクも凄まじき恐怖であったが、ついにゾラーク・ゾラーンが彼に出会い、彼を貪り喰ってしまった。カージョールクの僅かな欠片のみが、世に裏切り者、反逆者、変節漢の種を蒔くために逃げ失せた。
我が戦い、我々が勝った（生への闘争）
定命であり、知的な、混沌を敵としたすべての種族には、究極の戦いについての記憶がある。その戦いでは、崩壊しつつある宇宙にただ一人で挑んだ者がいた。この戦いで世界が救われ、再生した。
時の始まり（大いなる盟約）
カージャボールは神代にワクボスによって殺され、地獄へ落とされた。彼はそこで最後の砦に集まっていた神々の残軍に相対した。
すべての神が死の国に集まり、混沌による最終的な滅亡を待つばかりとなったとき、すべての神は協力して、アラクニー・ソラーラが混沌と戦うことを助けた。彼女はカージャボールを網で絡め取り、その脚で彼を包み込み、激しく組討ち、ついには彼を生きたまま貪り喰った。その結果エントロピーと存在の組合せが生じ、秩序ある宇宙を支配する時へと創り上げられた。アラクニー・ソラーラは神々の誓いを糸に紡ぎ、それで全宇宙を繋ぎ止めた（大いなる盟約）。
神々は古くからの仕事に戻ることができたが、時の降臨以前のように、制約に捕らわれず、思うが儘に行動することは出来なくなり、別の世界へと引き籠もっていった。
曙（大いなる盟約）
暗黒の時代には世界を支配していた夜の女神は、今ではそれをイェルムと分け合っている。
トロウルキンの呪い（曙の時代）
騙され、欺かれて、混沌創造の計画を危うく支持するところだったウズは、参画者との友情を破り、この計画に対して反乱を起こした。邪悪な光の神グバージは、カイガー・リートルと戦い、彼女の子供たちを永遠に呪った。それ以後、ウズコの代わりにエンロが生まれるようになった。アーガン・アーガーはエンロを哀れみ、彼らに槍の使い方を教えた。
アーカットはブリソスで生まれたが、厳しいカースト制を敷くブリソス社会は彼の才能を受け入れず、追放されてセシュネラに身を寄せた。その地で大将軍まで栄達した彼は、突然マルキオンの教えを捨て、フマクトのカルトに参入した。彼は“混沌の破壊者”と呼ばれ、軍勢を率いてスロントス、ドラゴン・パスを解放した。しかし後にアーカットはフマクトを裏切り、ゾラーク・ゾラーンのカルトに入った。この時、彼はウズになり、ウズに西方の秘密をもたらした。そしてついに太陽暦450年、宿敵グバージと対決し、その邪悪な帝国を滅ぼした。
ワームの友邦帝国（帝国の時代）
突然変異によって生まれた翻訳者たちの助けによって、ドラゴン・パスの人々はドラゴンの秘密を解明し、ドラゴン魔術を使い始めた。支配者たちはしばらく臣民に人気があったが、やがて彼らを遠ざけるようになり、決断力の欠如から評議会の統一は崩れ、没落の道を辿った。
太陽暦1042年、他種族に分け与えた知識がもはや正しく用いられていないと考えたドラゴニュート超王は、ウズやアニーラの信者の力を借りて、重要人物の殺害と秘宝の奪取に乗り出した。かくしてワームの友邦帝国は滅び、ドラゴンの力に関する知識も人間から失われた。
太陽暦1100年、帝国から解放されたペローリアの人間は、世界から竜族を一掃せんと徹底的な殺戮を始めた。竜は怒り、人間と竜の闘いによって、ドラゴン・パスから人間の姿は一時完全に消え失せた。このときウズは竜に同盟し、奢れる人間を根絶やしにするのを助けた。
Extremum Scriptum "Mythoes Uzum"
