著者まえおき
Author's Notes
http://www2u.biglobe.ne.jp/~BLUEMAGI/TradeinGlorantha.pdf

 本論執筆における私の目的は、ゲームマスター諸氏に交易商人のキャラクターを動かすための、さらに言えば、[グローランサの]背景をより充実したものにするための道具を提供することにある。例えば、交易に可能な物産からどのような製造業がありふれているのかを決定することが出来るだろう。またそれにとどまらず、農場を闊歩するがごときキャラクターの家族の仕事はどのようなものなのか、諸都市ではどのような産業が盛んなのか、などなどありとあらゆる背景の描写に寄与するだろう。ゲームマスターは、世界をまたにかけて交易に活躍するような世界規模のキャンペーンでも、共同体の生産活動をより深く味わうことが出来るような地域的なキャンペーンでも、どちらでも描写できるようになる。ただし、これはあくまでも私にとってのグローランサの見方であるということを十分に心にとどめておかれたい。私はすでに公表されている[グローランサ関連の]サプリメントに基づいて(、他の[非公式な]サプリメント[の記述]は[とりあえず]置いておいて)、さまざまな製品が製造されるのはどの地域か、これらの製品を購入するのはどの地域か、書き加えるのに重要なのはどのようなことか、省くべきなのはどのようなことか、といったことを考え、決定した。[ゲームマスター諸氏には]ここで扱われる物事を気軽に考えてほしいし、使うも使わないもあなた次第である。

 本論で扱う地域・文化圏は、『ジェナーテラ・ブック』で扱われた地域・文化圏に限定されており、それも人間の交易活動のみである。だがトロウルは交易に関していくつかの点で表面的には人間のものと類似している。モスタリやアルドリアミについては(ドラゴニュートについては言及しない!)、彼らの欲するものは定命の人間が生きるために必要で生産・消費をしているようなものより複雑なものでおり、彼らの必需品や経済観念は人間のものとは非常にかけ離れている。