Gerald Bosch, Trade in Genertela, 1994; Commodities - Slaves |
奴隷 |
Slaves |
http://www2u.biglobe.ne.jp/~BLUEMAGI/TradeinGlorantha.pdf |
奴隷貿易はグローランサのほとんどで見られる、不快ながら彼らの生活の一側面である。奴隷の長距離交易は多くの困難を抱えており、とりわけ奴隷の損傷(これによって売価が低下する)と反乱・逃亡の危険性([幸いにも]生糸のような積荷が運搬する商人を殺そうとすることはほとんどないのだけれど! [奴隷のような商品ではそうはいかない。])が考えられる。地球の歴史では、もっとも長い距離を運ぶ奴隷の長距離交易では奴隷は他の、より有利な交易(サハラを縦断する黄金交易のような[換金率が高い]場合と、地中海交易のような殷賑を極める交易の[輸送コストが低い]場合がある)のついでに商われた。例外は大西洋におけるプランテーション農場に送るための奴隷貿易だが、これは購入時の破格の安さとほとんど水上輸送によっていたことによる輸送コストの低さの双方の理由に加え、初期の大西洋交易の非常な利率のよさに支えられた圧倒的な需要のためである。一般的に、ジェナーテラの奴隷貿易はかなり地域的なもので、商業的大規模奴隷農場が経営されているいくかの地域を除いて、かなり小規模なものである。
ペローリアやクラロレラ、その他一部の地域の裕福な家では奴隷はさまざまな用途に用いられている(1)。奴隷貿易に支えられていた地球の環大西洋経済圏において見られたような奴隷制度を支持している地域はジェナーテラではほとんどない。ペローリアの広大な穀物農場では奴隷たちが働かされているが、彼らのほとんどその地方の人間か、ルナー帝国による戦争奴隷である。ゾーラ・フェル河谷やテシュノスの砂糖黍プランテーション、テシュノスやクラロレラの茶のプランテーションでも奴隷が働かされている。クラロレラでは米の栽培にも奴隷を用いることがある。これらの諸地域では自分たちの地域から奴隷を調達しているが、それは16世紀から19世紀のアフリカのような豊富で安価な奴隷の供給源がないからである(2)。
一部の奴隷はプラックスが奴隷の供給源の一つであることから「プラックス」と呼ばれている、と設定しているサプリメントもある(3)。だがプラックスの人口密度の低さと奴隷の陸路交易の難しさから言って、[プラックスが有力な奴隷供給源であるということは]ありえそうもない(4)。さらに、プラックスの部族間抗争で得られる奴隷は売り払うよりも部族の戦力増加に用いた方が価値があるように思われる。そして、プラックス人奴隷のほとんどすべては他のプラックス人か、パヴィスやゾーラ・フェル河谷に住んでいる人々によって買われるだろうと思われる。