Gerald Bosch, Trade in Genertela, 1994; Regions - Fronela |
フロネラ |
Fronela |
http://www2u.biglobe.ne.jp/~BLUEMAGI/TradeinGlorantha.pdf |
フロネラの交易はシンディクス大破門の雪解けと海の大開放によって再開された。地域的な交易は定住地域では小さな村々の日曜市で、より未開な地域では氏族の集合地で行われる。この地域の主要な作物は大麦だが、他にもさまざまな穀物が栽培されている。もう一つの主要な作物は亜麻で、リンネルの織物の製造に使われている。
ジャニューブ川はこの地域を横断して自然の交易路となっており、またペローリアと西方をつなぐ回廊をなしている。しかし、戦争王国がジャニューブ川にまたがって蟠踞するようになって、ジャニューブ川交易は気息奄奄である。
内陸の交易は、ジャニューブ川に隔てられた東西に長い2つの地域でそれぞれ行われている。フロネラ西部の貿易はソッグ市とロスカルムの商人たちによって牛耳られている。フロネラ東部ではリバージョインと淡水海を結ぶ交易路が他を圧倒している。この地域の商人のほとんどはエティーリーズの信者である。
ハイ・ラーマ峠からイーストポイントに至るキャラバン・ルートによって、エティーリーズの商人はペローリアからの輸出品をモスタリの商品と交換している。
ロスカルムからフロネラ東部、ペローリアに至る交易路は、ソッグ市に至るキャラバン・ルートを抜けて、[現在は戦争王国を避けて]アインポール [Einpor] 、モレーネ [Molene] 、カルスタール [Karstall] を経て、リバージョインに達している。
タストラルからジャニューブ川へ抜ける陸路のおかげで、ロスカルムの商人は特別な動物にまつわる商品を得ることか出来る。トナカイの角をはじめとするアンコリング族 [Uncoling] の民芸品や、冬の森から僅かに流出するアルドリアミの商品が名高い。
淡水海に面したラソレラ西部は材木の供給源となっている。高く真っ直ぐに伸びた針葉樹は帆柱として高い需要がある(1)。
ゾーリア [Zoria] ではフロネラ・ベアハウンドを調教しており、これの一大供給地である。この犬は川を下ってリバージョインで船積され、ペローリアへ転送される。ロスカルムでもこの犬の調教が始められて、西方一帯に輸出されているが、ロスカルム産は犬の専門家たちから二流と見なされている。
「フロネラのポイント・リンネル」は、毎年2回で大規模な織物市が開かれるが、そこで商われる。1回目は海の季の最終週に一週間にわたってノースポイントで開かれ、2回目は地の季の最初の週に一週間にわたってサウスポイントで開かれる。商人たちはケタエラなどの遠方からやってきて高品質の織物に高値をつける。外国商人がもたらす商品を買いにこの地方の商人たちもフロネラ中から集まってくる。
ルナーの対フロネラ政策に関する覚書:フロネラはルナー商人にとって市場以上の価値を有している。というのも、もしジャニューブ川が開かれて交易できるようになったならば、帝国は海と川を伝ってセシュネラまで達することが出来るからである。帝国は鉄をより容易に手に入れることが出来るようになり、鉄への代価を引き下げることが出来るだろう(2)。ルナー政府はフロネラ東部におけるエティーリーズ・カルトの立場を強化するために、同地への穀物輸出を奨励している(3)。可能ならば河川交易を再建するための行動を起こすだろうと予測される。